第5話 //2人の夏//
「美也ちゃん、今日もミレイのところに??」
ある日の放課後のことであった。
ミレイの女子サッカー部はインターハイに勝ち残った。
美也は今日も女子サッカー部のお手伝いの日々であった。
「うん、ミレイたちは今が一番大事な時期だから… 私が少しでもミレイの為に力になれでば…」
「美也ちゃんが力になれでばミレイちゃんもがんばれる!! マネージャー大変かもしれないけどがんばってね♪」
タケトがミレイの所に行きたかったのは山々であった。
しかし、タケトには寿文の為に家に帰らなければならない事の方が多い。
そして、もし時間が取れる日であってもタケトはミレイのところには姿をあらわさなかった。
そう、美也がミレイにつきっきりのようにタケトはサルサの応援にいってたのであった。
タケトは、最近毎日サルサとミレイのお弁当を作っていった。
彼は、部活で手伝うことができない分そういうバックグラウンドなところで
2人を貢献していたのであった。
そんなタケトの弁当をサルサは毎日文句を言いながら食べるのが日課になっているのである(笑)
ある日、タケトはサルサの練習を見に行くことがあった。
その日は、スーパーでも特売日でもなく寿文も夜勤の日であったのだ。
タケトが見たサルサは普段のサルサの姿と全然違っていた。
「こらぁ〜、岩瀬!! そんな球も取れないでどうするんだァ〜〜!!」
コーチの激が容赦なくサルサに飛んでくる。
球が取れなくて悔しそうにしてるサルサ。
悔しそうにしてるサルサにまた容赦なくボールが飛んでくる。
それに飛びかかるサルサ!!
タケトが普段のサルサからは考えられないほど、真剣に野球に取り組んでいた。
とりあえず、4人でいるときには絶対見せない表情であった。
そんな、ボロボロになりつつあった守備練習を終えて次はひたすらランニング。
その日の練習が終わったのが10時…
練習時間6時間の練習にサルサがぼろぼろでないわけがなかったのである。
終わりまでサルサを黙ってみてるタケト!!
そして練習が終わったあとで、タケトがサルサに声をかけたのであった。
「サルサ、お疲れさま!! 練習すごかったぞォ〜!!」
「なんだ、バカタケトか!! 今日の俺さまの練習を見てただとぉ〜??
あまりの練習のすごさに、タケトも驚いたであろう!!
ところで、お前今日は兄貴の方はだいじょうぶなのか??」
「うん、今日兄貴は夜勤!! だから、今日はそんなに早く帰らなくてもだいじょうぶ!!」
「よし、じゃあ今日は俺と一緒に飯を食うか?? おまえにはいつもご馳走になってるからな!!
今日ぐらいはおごるぞ♪」
「……………」
タケトにとって外食はあんまりしたことがなかった。
外食しても、年に数回… 数えるぐらいの回数しか食べてないのである。
「なんだ、タケト!! お前は俺のおごりがイヤなのか…
じゃあ、おごらんぞォ〜〜♪」
「そんなこと言ってないよぉ〜、サルサァ〜!! もちろんサルサについて行くさァ〜♪」
せっかくおごると言うのに断る手はない♪
そういうわけで、外食に抵抗を持ちながらもタケトはついていったのであった。
サルサにつれられて入ったのがサルサのうちの近くのラーメン屋!!
タケトも家からは近いのであるが入ったことがない。
「よう!! サルサ君!! 野球の方は調子いいかい??」
店の大将の声が店中に響き渡る!!
「おやっさん!! いつも通りラーメンライスに餃子!! そして野菜炒めなのだ♪」
さすがサルサ!! 食べる量が違う(笑)
それは、タケトも何回かサルサを食事に招いたことがあったのでよく知ってることではあるのだが…
それにしても、注文を聞いて改めてサルサの食べる量に驚いたのであった。
「タケトも俺と同じでいいか??」
サルサはとんでもないことを聞いてくる!!
「いくら僕でもそんなに食べれないよぉ〜!!」
「そうなのか?? 俺は腹八分目ですましてるのだぞ?? お前ならそれくらいは食べれると思ったのにな♪
じゃあ、お前はラーメンライスだけでいいか??」
「うん、それでいいよ♪ おごってくれてありがとう♪」
実は、タケトはめったにラーメンを食べない人であった。
外食もしないし、本格派にこだわるのが理由である…
それでも、ラーメン嫌いという訳ではなかった!!
「お前、毎日あんなハードな練習してるんだな!! 行けるといいな!! 甲子園…」
そう、川之江高校は去年はベスト8で敗れてるのである。
「もちろん甲子園に行くのだ!! 俺が本気になればそれくらい容易いのだ♪」
「うん、今年は甲子園まで行けるって信じてるぜ!!
だって、サルサが一番最初に打って、しかも一番広い範囲を守るんだろ!!」
タケトは正直野球にうとかった。
一番最初にうつ一番打者を最強の打者と信じてるし、
一番広い範囲を守備範囲とするセンターが一番大変なポジションだと信じてるのである。
「もちろんなのだ、お前に言われなくても甲子園に行ってやるのだ♪
あの、バカミレイもインターハイに行くことになったしな!!
おれだって、甲子園ぐらい行ってやるのだ☆」
そう言いながら、先ほど注文したラーメンライスに餃子、そして野菜炒めを次々に
たいらげていくサルサがいた。
サルサが全部食べ終わるときに、タケトはラーメンライスを半分食べ終わったところであった。
「がんばれよ!! サルサ!! あのハードな練習が実るといいね♪〜」
タケトが、ラーメンを全部食べ終わったときはすでに12時を超えていたのであった。