//5月2日//
さすがに、みんなが起き始めたのは10時を過ぎてからであった。
みんな昨日の疲れが残ってるのであろう…
ちなみに、その日に一番早く起きたのはタケトであった。
確かに昨日はタケトが一番つかれていて、こっちについてからも所々で眠ってしまっていて
タケトだけは睡眠が十分であると言うような状態であったのだ♪
タケトが起きていた時点で他に起きていたのは水菜のおばあちゃんだけであった。
おばあちゃんは、朝食の用意をしていた。
それを見ていたタケトは、おばあちゃんを手伝う事に決めた。
「おはようございます!! 僕にも何かてつだわして下さい!!」
「おや、おはよう。 最近の若いものにしては早い目覚めですね…」
おばあちゃんはタケトににっこり微笑んで、また朝食の用意を始めた。
今日の朝食のメニューは、焼き魚と味噌汁。
どちらも、完成までにはもう少し時間がかかりそうであった。
おばあちゃんは、焼き魚の方に夢中になってる。
味噌汁の方をほおってある状態であった。
タケトはそんな様子を見て、黙って味噌汁の様子をみることにした。
なかなかの手つきで、味噌汁を管理していくタケトの様子を見ていたおばあちゃんは
「あんたが、タケト君かい??」
と聞いてきた。 確かに、タケト自身おばあちゃんへの紹介をまだしてない事にきずいた。
「はい、吉川さんと同じクラスで今回の旅の一応責任者って事になってる岩瀬と言います。 水菜さんには毎日よくお世話になってます。 挨拶が遅れてしまって申し訳ございません。」
タケトはあわてて自己紹介を済ましていた。
「うんうん、あなたがタケト君ね!! うわさどおり優しい子だね!! これなら、水菜がよくタケト君の事を話してくれる事も納得できるよ!! うん、うん!!」
おばあちゃんはうれしそうに、タケトに話した。
その話を聞いたタケトは、ちょっと戸惑いも覚えた。
確かに、今回の旅は水菜のおかげである。
しかし、元々タケトと水菜はそんなに仲がいいと思ってる訳ではない…
少なくても、タケト自身はそう思ってるのであった。
「水菜はね、昨日寝言でタケト君タケト君ってずっと言ってたんだよ…
おそらく、水菜はタケト君の事を好いてるんじゃろねー これからも、
水菜の事をよろしくお願いしますね!!」
「は、はぁ〜…」
今、おばあちゃんの言ってることは冗談にしろ、それを言われていやな気分にはならなかった…
おばあちゃんはさらに続ける。
「お前さんは、水菜の事はどう思ってるんだい??」
「はぁ〜、友達ですけど… いい子ですよね♪」
タケトは、正直に答えた。 
おばあちゃんはさらにうれしそうに
「それじゃあ、学校でもこれからよろしくお願いしますね。 タケト君が優しい子で良かった… なんまんだぶ… なんまんだぶ…」
時間は11時を回っていた。
そろそろ女性人は全員起きて来ていた。
それにたいし、男性陣はタケトを除いてまた寝たままであった…
「タケト君、男どもを起こしてきて!!」
いつまでたっても起きない男性陣に銀星のゲキがかかった。
タケトはあわててみんなを起こしに行く。
銀星は、みんなが起きてきていないせいでまだ朝食が食べられない事にちょっといらついていたのだ。
ちなみに、朝食はちょうど銀星達女性陣が起きてきたころの10分前くらいに
できていた。
「お〜ぃ、先生!! 佐々木!! 武田!! 朝食できたぞ〜〜♪
おきろぉ〜〜!!」
みんなはひどい表情で、すごく不機嫌そうに起きてくる。
しかし、そんな男性陣の表情も銀星の表情には勝てずに静かに所定の席につく。
そんなこんなで朝食(昼食??)となったわけであった…

//午後//
「みんな!! 今日は何処に行こうか??」
今回の旅はいい意味で自由行動を主体にしようというコンセプトがあった。
みんなでまとまっていろいろなところを見に行くのもいいかもしれない…
しかし、そんな窮屈さをなくしたい…
だから、タケトはあえて詳しい予定を立てるのはやめていた。
「タケト君、私は今日久しぶりに静岡の街に行ってみたいわぁ〜♪」
「私も、水菜さんと同じで静岡の街に行ってみたい」
水菜と美也は街に行って見たいそうである。
しかし、街まで行くには車で行かないととてもじゃないけど行けない距離。
そこで、銀星、烏丸も美也達の引率として行く事になった。
一方、タケトは正直今日は休みたいのが実情であった。
なぜなら!! 明日は烏丸先生と2人で伊豆のほうに行く約束をしていたのである。
男同士の二人きりの旅!! 烏丸のバイクの後ろに乗り初めて行く伊豆半島…
それは、タケトにとって楽しみ以外のなにものでもなかったのである。
そういうわけで、タケトは今日は水菜のいえで休ませてもらうことにした。
「え〜〜、タケト君来ないの〜〜!! ぶぅ〜!!」
水菜は不機嫌そうであったが、仕方ないという感じで静岡に行く事にしていた。
ちなみに、毬愛は佐々木、武田達の誘いで今日も朝食のおかずであった
魚を取りに行く事になった。
しかし、藤枝は乗り気ではない…
結局、藤枝とタケトでおばあちゃんの家で待機する事になった。

//おばあちゃんの家にて//
タケトは、もう一つおばあちゃんの家に残ってるわけがあった。
おばあちゃんへの恩返しのためである。
家はとてつもなく広い… しかし、広いだけに掃除が行き届いてない所もある…
やっぱ、タケトはいろんな意味で今回の旅に責任を感じていたし
おばあちゃんには心から感謝をしていたのだ!!
そこで、自分にできる事… 家事一般で少しでも恩返しをしようとしてたのだ。
家事も半分以上が終わり、家の中から外の庭の掃除をしようとした時…
絵を書いてる藤枝を発見した。
「藤枝さん、そんな所で何してるの??」
「なんだ、お前か… ………お前、ちょっとそこでじっとしてろ!!」
「え、じっとしてろって言っても… まだ掃除中だし…」
「いいからじっとしてろ!!」
タケトは、藤枝の何か不思議な力にとっても弱い。
藤枝の放つ言葉には、人を黙らせる何かがあるようであった。
確かに言葉はきつい… 佐々木や武田はそれでかなり藤枝を敬遠してるようである。
でも、タケトにはどうしても藤枝を嫌いになれなかった…
そして、藤枝は何かを始めた… タケトがチラッと藤枝の方を見る…
どうやら、絵を書いているようであった…
そして、掃除がなんにも進まないうちに30分経過
「もういいぞ!! 岩瀬!! 掃除にもどれ!!」
藤枝はすぐにその場を立ち去ってしまった…
何をしていたんだろう… おそらく絵を書いてくれていたんだと思うけど…
藤枝さんに絵を書く趣味なんてあったんだな…
それにして、自分はどう書かれたのであろう… 
急に、藤枝の書いた自分の絵がきになった…
庭の掃除も終わりかけていたころの話であった…

「おばあちゃん、何か僕で良かったら手伝う事ありませんか??
夕食の用意もさせてもらいますよ♪」
そろそろ夕食の手伝いをする時間に突入していた。
「ほんとに、タケト君は優しい子だね… でも、いいのよ… もう十分今日は手伝ってもらったもの… せっかく来たんだから遊んでらっしゃい!!」
「で、でも…」
「いいんじゃよ、タケト君の気持ちだけで… わたしゃ、その気持ちだけで嬉しいんじゃ!!」
半ば、無理やりに台所を追い出されてしまった。
時間は、まだ4時… そこで、近くで魚を取ってるはずの武田達の所へむかうことにした武田達がいる川まで10分、武田達は今日の魚が取れたのだろうか??
ワクワクしながら今日の魚も楽しみにしていた。
そして、武田達の姿が見えた!! 
ちょっと遠くからみんなに声をかけようとしたちょうどその時であった…
家にいるはずの藤枝がそこにいたのだ!!
どうやら、さっきのスケッチブックを片手に武田達の様子を書いてるらしい…
タケトは、そっと藤枝に近づいて行った。
「ふっじえっださん♪〜」
「はうわぁ〜!! なんだお前!! も、もしかしてお前この絵を見てたのかぁ〜〜!!恥を知れェ〜〜〜!!」
完全に藤枝は取り乱してる…
しかし、そんな藤枝を横目にタケトは藤枝の絵に感心していた。
「しかし、藤枝さんて絵が上手いねェ〜!! なんか、絵が生きてる感じがるって言うか… なんか、この絵を見てるだけでも今日の武田達が楽しい一日を過ごしたってわかるよ♪ 武田達にも、この絵を見せてやろうよ♪」
そういって、タケトは藤枝のスケッチブックをもってみんなのところにむかおうとした…
しかし、藤枝がすごい形相でタケトに迫ってきた。
「おのれぇ〜、岩瀬ェ〜!! 返せェ〜〜!!」
さすがにタケトもこの藤枝の反応は予想できなかった。
とっても危機迫るものがあって、しかも今にも泣き出しそうな表情…
それでいて、いつもどおりの迫力でタケトに迫ってきたのだ。
「岩瀬ェ〜 やめろォ〜〜!!」
さすがに、完全にタケトも足が止まった。
そこで、タケトはその場で藤枝にいろいろ聞いてみる事にしたのだ…
「なあ、藤枝さん… なんで、そんなにこの絵をみせるのがいやなんだい??」
「なんでもいいだろ!! 恥を知れ!!」
「なあ、なんでそんなにみんなの事を嫌ってるんだい??」
「アホか!! 恥をしれ!!」
「なあ、さっき書いてくれた俺の絵だけでも見せてくれよぉ〜!!」
「知るか!! 恥を知れ!!」
さすがのタケトも、ちょっとだけ頭に来ていた…
同時に自分は藤枝から嫌われるのだと確信していた…
自分はこの場にいないほうがいい…
そう思ったタケトは武田達のところに行こうとした… その時であった!!
「なぜなんだぁ〜〜(号泣)」
さっきまで泣きそうであった藤枝の顔が、今は明らかに泣いていた…
さすがにタケトもほっておけなくなってしまった。
「ふ、藤枝さん… ごめん、こんなつもりじゃなかったんだ…
ただ、絵がすばらしいからみんなに見せてやりたかったんだ。
だけど、こんなに藤枝がいやがってるとは思わなかったから… ゴメン
藤枝の気持ちも考えないで… あと、嫌われてるのもわかったよ…
むやみに話しかけたりしないから許してね… じゃあ、僕はみんなの所に行くよ…」
そう言って、みんなにところに行こうとする…
そんなタケトの服をつかんで藤枝が言う。
「お〜ま〜え〜も〜かぁ〜!!!」
「あらあら、またやっちゃったわね…」
後ろからこっちの様子に気づいた毬愛が来ていた。
「絵里はね、怒ってるわけじゃないのよ… タケト君の事を嫌ってる訳でもないの…
ただね、みんなとコミュニケーションが取れないだけなの… 小さいころから
この娘はそうでね… 人に話し掛けられると極度に緊張してしまうらしいの…
だから… だから絵里のこと誤解しないでほしいの…」
号泣する藤枝を見て毬愛も泣きそうになりながらタケトに訴えかけてきた。
さすがに、タケトも何も言えなかった。
そして、一言…
「ゴメン、藤枝さん… わるかった…」
泣いてる藤枝を横目にタケトがかけることのできた精一杯の藤枝への誠意であった。
「恥を知れ…」
泣きながらの藤枝の一言であった。
「タケト君、絵里の恥を知れってのは恥ずかしいって意味なの… その他にも
いろいろ誤解するような言葉はいっぱいあるわ。
でもね、絵里は憎くてこんなことを言ってるんじゃないの…
絵里はただ、しゃべるのが苦手で緊張して自分でも何を言ってるかわからなくなってるの… 
だから、仲良くしてやってネといいたいけど… それが無理なら彼女のこと
誤解だけはしないでね…」
たしかに、タケトは藤枝のことを誤解してた。
とりあえず、自分は藤枝に嫌われてるものだとばっかり思ったからである。
「ゴメン、藤枝さんのことを誤解してた… これからは、藤枝さんの言葉を
理解するようにがんばる!! だから、泣かないで!!」
泣きながら、コクリとうなずく藤枝!!
そして、武田達他のみんなにも、藤枝に対する誤解を解いてやろうと
誓うタケトであった。
「なあ、藤枝… 俺を書いてくれた絵を見せてくれないか??」
「恥を知れ… 見せれるか!!」
そういってタケトにスケッチブックを差し出した。
今の藤枝の言葉はタケトの中では『恥ずかしいわ、とても人に見せられないものだけど…』
と解釈していた!!
藤枝の自分の絵を見て、タケトは自分がほんとに嫌われてないことを確信した。
藤枝の絵は実にすがすがしい自分をそこに描写していた。
自分で見てても自分がカッコいいと思えるほどのものである。
そして、その他にもみんなには気づかれなかったが、この旅に来て
何枚も自然の絵、そしてみんなの絵が描写されている。
そして、タケトは自分の思いついたある一つの提案をして見る…
「なあ、藤枝さん もしよかったらでいいんだけど、このスケッチブック貸してもらえないかな??」
「もってけ、そんなもん!!」

しばらくして、毬愛がいないことにきづいた武田、佐々木がこっちの様子に気づいた。
そして、みんな合流したあともう日も暮れかけてきていたので帰ることにした。

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