//夕食会//
夕食会のための準備は続いていた。
時間は午後7時… まだまだ時間がある。
夕食の準備をしてるのは二人… 美也とタケトであった。
タケトは、料理に関してはセミプロの腕前を持っている。
美也も、毎日家事をしてるわけではないが家庭科は得意なほうで、
タケトの言われたとおりに仕事をこなすことができていた。
たまに、この二人で一緒に料理を作ることはあり、その料理を今日みたいに
四人みんなで食べに来ることはよくあることであった…
いつも、今日みたいにいきなり決まるパターンであった。
どうも、四人にとっていきなりこういうなりゆきになるのは結構自然なことであった。
サルサとミレイはまだまだ部活の真っ最中らしい…
タケトは手伝ってくれている美也に適確な指示をだしながら自分も暇なく働いている。
美也も、タケトの言うことをよく聞いて的確に動いている。
「タケト君、ここはこうやればいいんだよね?」
「うん、だいたいそんな感じでいいと思うよ♪」
こんな感じで二人はドンドン料理を作り上げていく!!
タケトの考える料理は、なんともすばらしい料理のオンパレードであった。
そして、実際に形にできるタケトと美也の料理の腕もたいしたものであった…
時間は8時20分を回っていた。
「それにしても、今日はサルサ君もミレイも遅いわねぇ〜 相当部活に根つめてるのね」
そう、ミレイもサルサもタケトの料理を前にして遅刻することは少なかった。
今日みたいに、いっこうに時間になってもあらわれないのは
部活が長引いているからなのであった。
サルサの野球部はもちろん、ミレイのサッカー部も今年こそは県大会優勝
ということを目標にしてかなりがんばっているらしい…
そういうわけで、時間どおりにあらわれないのも無理がなかった…
「タケト君、私の料理うまくできてるか味見してくれたらうれしいな…」
美也は照れくさそうにタケトに聞いてみた。
美也も基本的には料理はかなりの腕前である。
しかし、とんでもない間違いをする女の子でもあった。
よく漫画なんかではある事であるが、実際に美也は塩を入れる料理に砂糖を入れたことがあった
ちなみに、その料理は誰も完食できなかったのであった。
そういう事も考慮して、美也はタケトに味見を求めてるのであった。
「うん、わかったよ♪ じゃあ、そのシチューをとりあえずもらってみようかな♪」
タケトは、過去の事にはなにも触れずに黙ってシチューを求めた。
それを、うれしそうにタケトに差し出す美也。
「うん、今日のやつも美味しいよ!! 美也ちゃんはさすがに女の子だね♪
なんか、優しい味付けになってる。 これだったら、きっとサルサも文句いわないよ」
サルサは、よくタケトの料理に文句をつけていた。
『にんじんを入れるな』、『味付けが濃い』などなどである。
でも、タケトはそんなサルサに逆襲するように、ちょっと濃い目に味付けにして
サルサの皿には、いつもにんじんが多めであった。
「おいしい、これ以上食べていたいけどみんなが怒りそうだからこれくらいにしておくよ」
「うん、タケト君に美味しいって行ってもらえると自信がつくわ♪
ありがとう、タケト君♪」
そんな会話をしてると、サルサが疲れきった表情でタケトの家についた。
「ただいまなのだぁ〜、今日も普段のサボってる練習分の練習をしてきたので
くたくたなのだ。 タケト、何か飲むものをくれなのだ。」
家につくなり、座り込んでしまった。
相当つかれていたのだろう。
タケトが、ジュースを差し出すと一口で飲み干してしまった…
「タケト〜、腹が減ったのだ♪ 早く美也の料理食わせろ〜♪」
「サルサ君、私はほんとにほとんど作ってないから… タケト君が今日もほとんど作ったんだよ」
「でも、少しでも美也が料理を作ってるのだ♪ それなら、美也の料理として食わないと損するのだ♪」
「おい、サルサ! それはないだろう〜〜! お前は食わなくてもいいんだぞ!!」
「わ、わかったのだ… もう言わないのだ…」
サルサはよっぽど腹がへってるらしい…
いつもなら、もう少しタケトに反抗するサルサは今日は珍しく引き下がった…
そして、もう一人の今日のお客であるミレイも現れた。
やっぱり、ミレイもつかれきっていたのだがメンバーがそろったということで
いよいよ突発的に始まった夕食会が始まった。
//夕食会が始まる//
「またタケトの料理は味付けが濃いのだ! にんじんはやめてくれなのだ!」
この時点でタケトの報復は、開始されている。
そしてサルサは、いつも何か文句いいながらも全部食べてしまっている。
もちろんにんじんもちゃんと食べているのだ(笑)
「もう、ほんとに… タケトは…」
まだサルサの文句は続いていた。
いつものお約束の光景である。
基本的に運動をしていないタケト、美也は育ち盛りとはいえ、そんなに食べてはいない。しかし、タケトと美也が用意した夕食は底をつきそうであった…
サルサとミレイは、さすがに大食いである。
サルサ達の食いっぷりはサスガとしかいいようがない…
そして、いつもみんなが食べきったときに夕食は終了する。
「ありがとう、タケト! ご主人様♪ 今日もご馳走になったわ♪」
ミレイはお礼をいう…
ミレイのうちは、両親共働きである…
そういうわけで、手料理にあんまり縁がなかった…
そういう意味では、ミレイはこの夕食会はいつもの楽しみの一つなのであった。
「タケトの料理、美味しかったわ♪ そして、ご主人様が手伝ってるから
余計私にとって美味しく感じるのよね♪ 今日は、ありがとうね♪」
「いや、そんなお礼を言わなくていいよ。 それにいつも言ってるじゃないか
もし、僕の料理なんかで良かったらいつでも食べにきてって…」
ミレイは、いつもそういわれていたが、一回も直接ご馳走になったことはない。
妙な所で恥ずかしがる可愛い女子高校生であるのだ…
「うん、ありがとう♪ またご主人様と一緒にご馳走になりに来るからよろしく♪」
ミレイは満面の笑みでタケトに答えた。
その間に、サルサは寝てしまっていた…
ご飯の後すぐ寝るのは、あんまりよろしくないことであるが
サルサのおかれてる状況を考えるとタケトや美也は起こすことはできなかった。
「ほ〜ら、行くよ!! サルサ!! はい、起きて起きて!!」
「うみゅ? うるさいのだぁ〜 まだ寝るのだぁ〜!!」
「これ以上お邪魔できないわよ。 さ、起きた起きた!!」
ミレイはサルサを強引に起こしている。
サルサもやっと目を覚ました。
「わかったのだわかったのだ… だから蹴るのだけはやめろ! バカ力…」
「あ〜ん、なんか言った!! サルサ!!」
そんな二人を見て、タケトが仲裁にはいる。
「ミレイちゃん! いいよ、無理に起こさなくて… サルサは疲れてるんだし…」
「そうなのだ、だから寝てるのだ…」
「ダメ!! ちゃんと帰らないと家の人も心配するでしょ!!」
そう言って、再び無理に起こすミレイ。
サルサもついに観念した様子である…
「わかったのだ、帰る、帰るのだ!!」
サルサは、たちあがって帰る準備をはじめた。
「ゴメンね、タケト! サルサはちゃんと送って行くから♪ じゃあ、また明日ね♪」
そういって、ミレイとサルサは帰っていった…
「なんか、二人のパワーは相変わらずすごいものがあるね…」
タケトは美也のそう話ながら二人を見送っていた…