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//病院にて//
「兄貴、ダイジョウブ?」
タケトは、半分涙目になりながら病院へと入っていった。
そして、寿文のベットにつくなりそう言ったのである。
「兄貴、しっかりして!!」
「あぁ〜、もううるさい! そんなに大きな声だすなよ〜 恥ずかしいだろ!」
タケトはきょとんとした。
そこに、タケトを追っかけてきた美也が病室についた。
「タケト、俺はなんともない だた、少しめまいがして貧血で倒れただけだ!
それをあいつらはお前に電話しやがって! そんなことしても、心配させるだけだろうに…」
寿文の言うあいつらとは寿文の同僚の竹村たちのことである。
どうやら、竹村たちも寿文がいきなり倒れたので、かなりビックリしたらしく
気が動転して、タケトに電話してしまったらしい…
「俺はなんともない、だからお前は帰れ!」
「なに言ってんだよ、今日はずっとここにいて兄貴の世話をするよ!」
「お前は、明日も学校だろう? だったら帰って勉強して早く寝ろ!
そっちのほうがよっぽど俺にとってうれしい!」
タケトは、反論できなかった… 
しかも、兄貴が何ともなかったといえば余計にいる理由は無くなる…
兄貴は怒ってるし…
「じゃあ、兄貴。 また来るよ! 体を大事にしてね。」
「いわれなくてもわかってる。 明日には退院するつもりだから…」
「ハハッ、わかったよ! 兄貴!」
タケト達は病室を出て病院から出ようとしたときに、病院のドクターに呼びとめられた。「岩瀬さんの弟さんだね。 少し話いいかな?」
「はい、なんでしょう??」
タケトはびびっていた。
病院のドクターに呼びとめられる、しかも病室の外で…
何か悪い病気でもかかってるのではないのだろうか?
タケトの脳裏に不安がよぎった…
「岩瀬さん、明日退院するって聞かないんですよ… なんとか説得してもらえませんか?」
「え、どういうことでしょう?」
タケトは、ボケたふりをしていたが、内心はらはらドキドキであった…
「いえ、岩瀬さんは明らかに過労です。 また明日現場復帰となると
絶対今日みたいに倒れる日が来るでしょう… そこから、重大な病気にかかるかもしれないのです。 だから、今回の入院を機に岩瀬さんにはじっくり養生して欲しいのです。
それを、弟である君からいい聞かしてもらえないでしょうか?」
タケトはホッとした。
兄貴… 寿文はホントにヘンな病気なんかじゃなかったんだ!
ホントに疲れすぎて、倒れちゃっただけだったんだ!
タケトに安堵感が走ったのと同時にドクターに答えた。
「わかりました、兄貴の説得は任せてください! 明日にでもまた伺いますよ。」
「岩瀬さん、お願いします。」
ドクターは、タケトに深々と頭を下げた。

//岩瀬家にて//
「お兄さん大変だったわね…」
タケトの後を追っかけてきて一部始終知っていた美也が話した。
「うん、明日兄貴をなんとか入院するように説得してみるよ。」
「お兄さん、この頃大変そうだったものね… 毎日いっぱいいっぱいで働いてたみたいだし… これじゃあ、お兄さんが倒れたりするのも無理がないのかも…」
「うん、この頃兄貴と話してなかったからなぁ〜… 帰ってきたら、なにも言わず寝ちゃってたし… 兄貴、かなり疲れていたと思う…」
美也もタケトも寿文を気遣っていた。
しばらくの沈黙のあと… 美也が切り出した…
「お兄さんだったらダイジョウブよ! だって、タケト君のお兄さんだし…」
「優しいんだね、美也ちゃんは…」
タケトは、兄貴を心配してくれる美也に対して感謝の気持ちでいっぱいだった。
そして、思わず出た言葉なのであろう…
「だって私、タケト君が落ちこんでいる姿は見ていたくないし… だから、私がんばってタケト君に元気になってもらいたくて…」
「ありがとう… …………… 今日は、もう遅いから送ってくね…」
そう、時計はもう9時を回っていた。
寿文のことがいろいろありすぎて時間のたつのも忘れていたらしい…
「ありがとう、でもタケト君のほうこそダイジョウブ? 元気出してね…」
「わかったよ、美也ちゃん。 とにかく明日、なんとか兄貴を説得してみるよ…」
美也にそう告げた後、タケトは美也を家まで送っていった…
家に帰ったあと、タケトは妙な孤独感に襲われた…
寿文が夜中にいないと言うのはいつものことである。
しかし、寿文が仕事をしてると思えればこその事であって、今日はいつもと状況が違う…なんとも、タケトにとっては寂しい夜となった…

//次の日の朝 病院にて…//
「兄貴〜、頼むよ! 入院してくれよ!」
「バカいうな! 俺は、今一番仕事が忙しいんだ!」
「そんな事言ったって、まだ兄貴の体完全じゃないんだよ!」
「そんな事知るか! おい、タケト! 放せ!」
寿文は、職場にいこうとしている…
それを必死で止める弟…
しかし、兄貴はすごい形相でタケトを睨みつけている。
そして一喝!!
「タケト〜〜〜!! 放せというのがわからないのか?」
そこに同僚の竹村たちが寿文の部屋にやってきた…
「岩瀬〜、喜べ!! お前が追っていた犯人の証拠をつかんだんだ! だから、あの犯人がつかまるのも時間の問題さ♪ お前のおかげだよ! 良かったな♪」
「なにぃ〜、ついに証拠をつかんだのか? そうか、良かった…」
寿文は涙をこぼしていた… それだけしんどかった事件なのだろう…
寿文は家庭では決して仕事の話はしない。
タケトに余計な心配をかけたくないからである。
そんな寿文を見越してタケトも決して寿文にきこうとはしなかった…
そんな寿文が、タケトの前で仕事の事でしかも涙までこぼして喜んだのだ…
タケトにとっては事件であった…
そして、心の中でつぶやいた… 『兄貴、ご苦労様…』と…
「岩瀬、だから安心して休め! お前が病院から出てくるまでに、犯人逮捕しておくさ!」
寿文は無言のままうなずいた… そして、タケトに
「俺は病院でおとなしくしてる… ほら、何をしてる! 早く学校に行け!
もう用は済んだんだろう?!」
「うん、行ってくるね♪ 兄貴!!」
タケトは、安心して学校に向かった、しかし学校になにも断りをいれなかったタケトは
大遅刻の汚名をきせられたのであった…

//学校にて//
「おう、大遅刻王♪ それにしても、2時限になっていきなり現れたお前は
相当面白かったぞ♪」
サルサは、得意のからかいでタケトに茶々を入れる。
「今日は特別なの! 家じゃあいろいろな事があって仕方なく、遅刻してきたんだ!」
タケトは不愉快そうにサルサに答える。
「タケト君、お兄さんの事? あのあとお兄さんは?」
美也が、心配そうにタケトに尋ねる。
「うん、兄貴のやつ何とか入院してくれるみたい。 で、先生にも聞いてきたんだけど
兄貴がちゃんと入院してくれでば、一週間で退院できるみたい。
元々、体自体になにも悪いところはないんだし♪」
「よかった〜!! お兄さんもこれで心配無いわね♪」
「そうそう、美也ちゃん。 昨日ご馳走しそびれちゃったから今日こそご馳走するね♪」「俺にもご馳走してくれなのだ♪」
「わかったよ、サルサにもご馳走するよ♪ 美也ちゃんも来るでしょ?」
「いいのぉ〜? ご馳走になっちゃって? 昨日だって私、何をしたってわけじゃないのに!」
「だって、卵一緒に買ってくれたし(笑) そのお礼だよ♪」
「そういう事なら、今晩行くわ♪ 楽しみにしてるね♪ ミレイも誘って4人で一緒に食べましょう♪」
「いいねぇ〜、じゃあ、夕ご飯の時間もずらして… 8時半なら部活も終わってるかな?」
「了解、ミレイには私から伝えておくわ♪」
「俺も了解したのだ♪ 8時半までには絶対行くからな♪」
「うん、みんな家で待ってるよ!」
そういうわけで今日の夕飯の食材をゲットするために、学校が終わった後
タケトはすぐスーパーにいって品定めをした。
タケトの家で、今日も夕食会が始まる…

 

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