第2話 //優しさの過去//

「いってきます♪」
今日もタケトが学校に出かける。
もちろん美也ちゃんと一緒である。
「行ってらっしゃい。 きをつけていくんだぞ!」
寿文が、タケトを送り出す。
しかし、寿文はなんとなく元気がなかった。
まあ、ここのところ毎日夜勤夜勤で大変なのである。
まあ、刑事と言う特殊な職業だからしかたがないといえばしかたがないのであるが…
そんな寿文を気遣いながら、タケトは学校へ出かけた。
まだ、4月も半ばである、気持ちいい朝であった。
「お兄さん、だいぶお疲れのようね」
「美也ちゃんもそう思った? 兄貴なんかこのごろ仕事に根を詰めすぎてるんだよね…」「お兄さんも大変… これ以上無理して欲しくないわね」
「ありがとう、美也ちゃん。 兄貴も喜ぶよ♪」
そんな感じで、今日の朝も2人は登校していった。

//学校にて//
「おはよう♪ ご主人様!」
いつも元気印のミレイである。
「ご主人様、今度の地区予選応援に来てくださいね♪ まあ、地区予選ぐらい楽勝だけど。」
ミレイの所属するサッカー部は、前にも言ったとおり部員数が少ない。
でも部活の性質上、他の学校も同じような悩みを抱えている。
そういうわけで、ミレイみたいな運動神経の塊みたいなのがいると
どうしても、強豪になってくる。
ちなみに、川之江高校サッカー部は去年は、県で準優勝していた。
「わかったわ、ミレイ。 今年も私を県大会まで連れてってね♪」
なんか、まるでマネージャーのような感じである。
でも、美也は時々ミレイの部活を見学しに行くときに、ついでに洗濯とかボール
のかたずけとかをする、とってもサッカー部にとってなくてはならない人であった。
「ありがとう、ご主人様。 県大会といわず全国大会につれてっちゃうわ♪
タケトも、もし良かったら応援しに来てよ♪」
「女子サッカーは強いからな! 応援しがいがあるし… 今年も行くよ♪」
ちなみに、タケトは去年しっかりとミレイの応援をしていた。
しかしミレイはタケトの存在にきづかず、タケトはあとでミレイに怒られていたのだ。
ちなみに、サルサはというと自分の練習だけで手一杯だそうである。
「きーんこーんかーんこーん〜〜」
「じゃあ、ご主人様、タケト。 また後でね♪」
今日も一時間目の授業が始まる。
ちなみに、今日のサルサは朝練をほっぽり出しての遅刻であった。

//放課後//
「美〜也〜ちゃん。 一緒に帰らない??」
タケトから、帰りを誘うのはめったにない事であった。
タケトは、外見と同じようにとってもシャイな性格なのである。
だから、タケトは進んで女子とも会話しない。
それだけに、美也を一緒に帰ろうなんて誘う事がない。
美也にしてみれば大事件であった。
「どうしたの? タケト君? でも、一緒に帰りましょ♪」
「うん!!」
タケトは満面の笑みを浮かべていた。
美也は、なんかドキドキはしていた。
こんな積極的なタケトを見た事がなかったからである。
「卵を切らしてたんだ。 美也ちゃんがいれば、卵が2パック買える♪」
いかにもタケトらしい発想である。
その日は、卵の特売をやっていたのだ。
でも、お一人様一パックまで…
そこで、卵を買うために今日は、積極的に美也を誘ったのである。
美也は、苦笑いをしていた。
でも、そんなタケトを見ていて自然に笑顔がこぼれる。
「ご主人様、部活に行ってきます。 たまには顔を出してね。
タケト! ご主人様をあんまり独占するんじゃないわよ!」
「おれも、部活に行ってくるのだ。 今日朝寝坊したから、なんか言われそうだな。」
サルサ、ミレイはそれぞれ部活に行った。
タケト達も、いざスーパーへと出陣した♪

//スーパーにて//
「今日の特売は卵一パック三円、三円だよ〜♪
お一人様一パック限り、500円以上お買い上げの人限定だよ〜♪」
特売のお兄さんの声がスーパー店内に響き渡る。
タケトはとにかく笑顔いっぱいであった。
「じゃあ、美也ちゃん協力してね♪ 僕が美也ちゃんの買う500円分の
食材を紙に書いたから、それを買ったら卵を一パック買ってね♪
僕は、僕でなんとか500円買ってみるから♪」
「わかったわ、じゃあ、紙に書いてあるヤツを全部買ったら外にでてるわね♪」
「うん、お願いします。 いろいろありがとう♪」
「いえいえ、どういたしまして。 じゃあ、タケト君。 私は行くわ♪」
「じゃあ、僕もいつもの戦闘態勢に入るね♪ 後でね〜♪」
2人は、その場をわかれてそれぞれ自分の買うべきものを買いに行った。

//店の外にて//
「タケト君はまだかなぁ〜…」
美也は、自分が買いものを終えてから10分待っている。
タケトは時間にルーズなほうではない。
いや、どちらかと言うと現代人にしては時間には几帳面なほうだと思う。
しかし、買いもの魂が彼を変えているのであろう。
とくに、今日は卵以外にも特売の商品が多い。
きっと、タケトは美也をこんなに待たしてるなんて今は夢にも思ってないであろう。
しかし、タケトの性格上帰ってきたらきっといやというほど謝るのであろう。
美也は一人でそんな想像をしていた。
その時であった。
両手のビニール袋いっぱいに買い物品を持っていたタケトが帰ってきた♪
「美也ちゃ〜ん、ごめんなさい。 ついつい買いこんでしまった。」
「タケト君遅いわ! でも、こんなに買いこんだらしかたがないか♪」
「ほんとにごめんなさい。 買いものにつきあわした上に、またせちゃって…」
「うーん、これは許せないなぁ〜。 タケト君になにかしてもらわなきゃ♪」
「ごめん、俺にできる事ならなんでも…」
「じゃあ、今日は夕食はタケト君のおごりね。 もちろん、タケト君の手料理♪」
「うん、いいよ。 僕の手料理なんかでいいなら、いくらでも食べてって♪」
タケトの手料理のファンは結構多い。
特に、サルサなんかはホントに部活にうちこむ時期(5月頃から大会が終わるまで)は
一年生のときは毎日タケトの家に来て、食べに来てたものであった。
サルサは、いつも味付けが濃いとかいって文句ばっかり言ってたが
なんだかんだいって、毎日通うくらいなのだから相当のファンなのであろう。
美也も、一年のときはタケトと弁当交換とかをしていたものである。
「とりあえず、今日はいろいろありがとう。 ホントに助かったよ♪」
「いえいえ、私もタケト君の料理は楽しみだし♪ 今日はお疲れ様でした♪」
「じゃあ、家に帰ろうか? 美也ちゃん? そのまま来る??」
「うん、そのままいくわ♪ ご飯食べるくらいの時間があると思うし。」

//岩瀬家にて//
「じゃあ、そこに腰掛けて待ってて。 今すぐしたくしちゃうから♪」
「なにか手伝う事はない? タケト君一人で料理作らせるわけにはいかないわ
女の子として…」
「じゃあ、そこにあるキャベツとたまねぎ…」
タケトの美也への指示は的確なものである。
そして、美也の仕事の指示をしながら自分の仕事も的確にこなしている。
やっぱり、タケトは家事に対しては完璧であった。
「これで、出来上がり♪ 手伝ってくれてどうもありがとう、美也ちゃん♪」
「お役にたてて、うれしいわ♪ さあ、2人で作った料理、食べましょ♪」
「そうだね、兄貴は今夜も遅くなるかもって言ってたし… 食べちゃおっか♪」
その時であった、川之江警察署から電話がかかってきた。
「もしもし、岩瀬さんのお宅? タケト君? 寿文が大変なんだ。
とりあえず、病院まで来てくれ! 病院の住所は…」
「はい! はい!! わかりました。 今すぐ病院に向かいます。」
「どうしたの、タケト君? お兄さんの身になにかあったんじゃ??」
「兄貴が倒れたらしい… 詳しい事はよくわからないけどとりあえず病院に行かなきゃ!」
「じゃあ、私もついていく! タケト君、きっと大丈夫だよ!」
「うん、とりあえず病院に行ってみよう!!」
お兄さん、寿文は警察官である。
その事が余計にタケトを不安にしている。
美也も同じであった。
彼らは、せっかく作った手作り料理も食べずに病院へと向かった

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