//クラスメートとともに//
<放課後>
美也とタケトは職員室に様子を見に行った。
「やっぱまずいわよ〜 先生のプライベートなんて勝手に探っちゃ…」
「でも、サルサとミレイにはもう頼まれてるから… 引き受けちゃったし…」
基本的に、タケトはイヤとはいえない性格らしい。
そして、それは美也も一緒であった。
そうこうしてるうちに、烏丸先生が職員室から出てきた。
この先生は、部活とかの顧問はやっていない。
しかも、受持ちがタケトのクラスなので受験とかそういう事も関係ない。
したがって、学校が終わったらすぐに帰宅するのでは?
そう、美也たちは思っていた。
案の定、烏丸先生は職員室を出てきて、自分のバイクに乗りこんで帰ろうとしていた。
「しまった〜、先生バイクだったんだ〜!!」
今日、会ったばっかりの美也とタケトはそんな事を知る由もなかった。
しかし、このままでは烏丸先生を逃がしてしまう…
「私、烏丸先生を引きとめておくわ。 だから、タケト君は家からバイクを持ってきて!」
「そうだな、バイクにはバイクだ。 美也ちゃん、烏丸先生のほうを頼む。」
美也はこくりとうなずいて、烏丸先生のほうに向かった。
「あの〜、烏丸先生。 私、先生に質問があるんですけど…」
「おや、君は確か北原さんですね? なんでしょう、質問とは?」
「クラスの学級委員の事で……」
美也は、サルサによって学級委員にさせられてしまったのだ。
しかし、それをうまく利用した烏丸先生を引き止める方法であった。
タケトは、必死で走って家に着いた。
そして、タケトの愛マシンであるスクーターに乗り学校へ急いで向かった。
その時は、まだ美也たちは話しこんでいた。
しばらくして、美也はタケトの存在にきづいたとき
「じゃあ、詳しい事はまた明日相談しましょう。 明日からもよろしくお願いします。 さようなら〜、先生。」
「はい、北原さん。 さようなら。」
烏丸先生は、バイクに乗りこむと帰っていってしまった。
美也も急いで、タケトのバイクの後ろに乗り込む。
「さぁ、タケト君 急いで、先生のバイクを追いましょう♪」
どうやら、美也は相当タケトのバイクに乗りなれているようである。
実際、タケトは三人の足となっている事が多々ある。
しかし、タケトのバイクは二人乗りではない。
だから、いつも二人を乗せるときはひやひやしているのである。
しかし、タケトは何も言わず三人を乗せてやっているとっても、感心な人なのである。
「烏丸先生の家って何処なんだろう?」
「たしか、バイクなら10分の距離のはずよ♪」
美也は、烏丸先生の家の住所をあらかじめ調べていたようである。
「あれ、烏丸先生全然違う方向へウインカー出しているわ?」
美也は烏丸先生の住所を知っていたので不思議に思っていた。
「だから、それがいまから授業中に言ってたぎんせいにでも会いに行くために家に帰らないんじゃない?」
「そっか、先生ぎんせいって言って照れていたものね♪」
それから、20分ぐらいバイクを走らせて見た目が高そうなマンションの前にバイクを止め、その中に入っていった。
「おい、先生入ってっちゃったぞ! これ以上追跡できないね。」
「うん、これ以上は… かなりプライベートな事だし追跡できないわね。」
「でも、ここはぎんせいって人のマンションか〜 かなりすごいお金もちの人だね。」
「まあ、これでこの事をサルサ君たちに報告すれば納得してもらえるかな〜?」
これで、美也とタケトの追跡劇はひとまず終了した。
「じゃあ、バイクで送るよ。 今日は、いろいろありがとう。」
「私も、悪いと思いながら楽しんじゃった♪ タケト君、こちらこそありがとう♪」
「それにしても、遠くまで来ちゃったな〜 美也ちゃん、ここって何処なんだい?」
「えっと、五十嵐二丁目って言うところだわ、あそこに書いてあるわ。」
「五十嵐二丁目? ずいぶん遠くまで来ちゃったな〜 じゃあ、街中を通って行かないとならないから、何か食べていこうか?」
「いいわね、タケト君♪ 私もおなかすいていたのよ♪ じゃあ行きましょう♪」
二人は久しぶりに二人で街中に出た。
タケトは今日寿文が遅番なので家に早く帰らなくてもいいためである。
「ここらへんに評判のケーキやさんがあるの♪」
美也は甘いものには目がないらしい。
しかし、タケトも男の子なのに甘いものは好きなほうである。
美也にとっては、タケトは普通の女の子よりいろんな所に誘いやすい男の子なのである。
「美也ちゃん、僕お金がなかった…」
タケトは、基本的には寿文の主夫(笑)であるが、寿文がいないときはお金を持って出歩かない倹約家なのである。
「わかったわ、貸しておいてあげる。 じゃあ、食べに行きましょう。」
「ごめんね、美也ちゃん。 普通は立場が逆なのに。」
タケトは、ヘンなところを気にするタイプである。
「いいの、だって今日はずっとバイクも運転してくれていたし♪ やっぱ、タケト君のバイクの運転は乗り心地よかったし。」
「でも、あのバイク二人のりじゃないんだけど(苦笑) 僕が1人で働けるようになったら、美也ちゃんもちゃんと乗せれるようなバイクを買うね♪」
「ハハ、楽しみにしてるわ♪」
「それにしても、烏丸先生の事はあの報告をしても、絶対サルサたち納得しないよね…」
「確かに… だって、ぎんせいについて何もわかってないわ… わかったのは、先生がマンションに入って行ったことだけ…」
「ぎんせい… 誰なんだろうな〜?」
「サルサ君だったら、絶対『俺なら最後まできっちり任務を遂行したぞ』とかいわれそう…」
「サルサは、単に刑事ドラマの見すぎなんだって… かなり、ハマっていたよ。」
「あれ、あそこにいるの… 烏丸先生じゃないかしら?」
「………」
タケトは、後ろを振り向くとそこに烏丸先生と身長の大きな女の子が楽しそうに話している。
「とりあえず、二人の会話を聞いてみようよ。 何かわかるかも」
「わかったわ、じゃあ、静かにしてましょう…」
タケトたちは、注文したケーキに手もつけず、先生たちの会話を聞きこんだ。
「ギン、ぼかぁ〜、ギンと一緒ならいつも幸せだな〜、アハハ〜」
「薫! はずかしいいから、そういう事言うのはやめようよ」
「アハハ〜、だって幸せなんだもん〜、で、ギンもきっと幸せなんだよね〜」
「どうしてわかるの? また心の目〜?」
「アハハ〜、そうだよ〜、僕の心の目はいつもギンと二人で話しているときのためにあるようなものさ♪」
「もう、薫ったらほんとに〜」
どうやら、会話を聞いてみてあの女の人がぎんせいに間違いないらしい。
そして、先生とあの女の人はかなり親密な関係であるようだ。
「薫! そろそろ店から出ようか?」
「待って、ギンともう少しここにいるぅ〜」
「まったく薫は〜 しょうがないヤツだな」
「アハハ〜♪」
烏丸先生の方が女の子みたいであった。
タケトたちも、先生たちがケーキ屋から出てく前に先回りして様子をみる事にした。